自分の睡眠に対して不満のある人がふえています。
厚生労働省の調査によれば日本人の睡眠時間は年々短くなってきているそうです。
(「平成 27 年 国民健康・栄養調査結果の概要」より引用)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000142359.html
それに合わせるように自分の睡眠に不満がある人、睡眠で十分休息がとれていないと感じる人がふえています。平均すると約20%、5人に1人は睡眠で十分な休息がとれていないという調査結果が出ています。(下図赤枠)
(「平成 28 年国民健康・栄養調査結果の概要」より引用)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177189.html
眠りが浅いという悩みもあると思いますが、総じていえば結局は睡眠時間の短さがこういった不満の原因だと思われます。
では、なぜ日本人の睡眠時間は減ってきているのでしょうか。
これは単純に寝る時刻が遅くなってきているからだと思います。普通の社会人であれば、寝るのが遅くなっても起きる時刻は変えられません。そうなると当然睡眠時間が短くなります。ですから「寝る時刻が遅くなっている」こと、これが日本人の睡眠時間が短くなっている直接の理由だと思われます。
では、なぜ寝る時刻が遅くなっているのでしょうか。
これには色々と理由が考えられます。厚生労働省の調査では、睡眠時間が短くなっている理由として労働時間の増加やストレスが多く挙げられています。しかし、最近の事情としてはスマートフォンやタブレット端末の普及というのも大きな要因のひとつだと思われます。スマートフォンやタブレットの光は、ここで紹介する睡眠に欠かせないメラトニンというホルモンの分泌をおさえてしまうのです。
多くの人が、少し空き時間ができるとスマートフォンを見ています。日中であればそれほど問題ないのですが、夜暗くなってからのスマートフォンやパソコンなどの使用は眠気を遠ざけます。
「眠れない」と不眠症で悩んでいる人の中には、こういう生活パターンが固定化されてしまって、寝るべき時刻に眠れなくなってしまったという人も多いと思われます。
「眠れない悩み」は「眠くならない悩み」であることも多いのです。
ここでは、「眠くなる時刻」を変更し、自分の理想の時刻に自然な眠気が起こるようにできる可能性があるメラトニンをご紹介します。
目次
1. 生体時計とサーカディアンリズム(概日リズム)
メラトニンの説明をする上で、生物が持つ生理的なリズムについての情報が非常に重要となります。そのため、メラトニンについて説明する前に、この生理的リズムの概要について述べます。
地球上のほぼ全て生物は、体内に時計を持っており、一日の周期を知るようにできています。
人の身体の働きにも24時間のリズムがあり、生命の活動を調節している自律神経や、快適な毎日を送るために働いているホルモンも、約24時間を周期として規則正しい変動を繰り返しています。
この24時間のリズムを作り出している仕組みを生物時計、あるいは体内時計とよびます。そして、この24時間周期のリズミカルな変動のことを医学用語でサーカディアンリズム、日本語で概日(がいじつ)リズムとよびます。
人間の場合、このサーカディアンリズムを刻む体内時計は間脳という部位にある視交叉上核(しこうさじょうかく)という神経核であることが分かっています。さらに、身体のほとんどすべての細胞には複数の時計遺伝子が存在し、自立的に時間の経過を計っていることもわかっています。
間脳とは下図の青い線で囲まれた大脳半球の中心部分であり、自律神経の働きを調節、意識・神経活動の中枢をなす部位です。
人体は、視交叉上核の体内時計を親時計、抹消組織の細胞にある時計遺伝子群を子時計として、親時計が子時計を指揮する形でサーカディアンリズムを保ち続けています。また、人間の体は昼夜の明暗サイクルの変化などを手がかりにして、自分自身の体内時計を補正しつつサーカディアンリズムの周期を保っています。
「睡眠科学」(三島和夫著, 化学同人、2016)より引用・改変
このサーカディアンリズムが乱れると、高血圧・メタボリック症候群・糖尿病・高子レストロール・骨粗しょう症・各種の癌などの生活習慣病を引き起こす原因となります。
そのため、人間が健康な生活を続けていくうえでサーカディアンリズムが正常に刻まれ続けることは極めて重要なことなのです。
しかし、このサーカディアンリズムはさまざまな要因で乱れがちであり、夜遅くまで起きている生活を続けているだけでもサーカディアンリズムは乱れます。
夜中の2~3時にならないと眠くならず、自然に起きるのが朝9~10時ぐらいになるという人がいますが、そのような人はサーカディアンリズムの周期自体が標準的なリズムより後ろにシフトしていると考えられます。
このように、リズムの周期は24時間であっても、その始まりが標準的なものより遅い時刻にシフトている状態をサーカディアンリズムの周期が後退しているといいます。
極端にサーカディアンリズムの周期が後退している場合、明け方にならないと眠れず起きるのも昼過ぎということになります。こういった状態を睡眠相後退症候群とよびます。
現代人には、睡眠相後退症候群とまではいかなくても、標準よりサーカディアンリズムの周期が後ろにシフトしている人が多いのではないでしょうか。
サーカディアンリズムが乱れて、眠気が起こる時間帯が標準的な時間帯よりも後退した場合は、なかなか眠れない不眠症の原因にもなります。
ほとんどの人は、実際に眠りにつく時刻が遅くなったとしても起きるべき時刻を遅らせることはできません。そのため、サーカディアンリズムが後ろにシフトした状態では慢性的な睡眠不足の生活となります。
さて、このサーカディアンリズムを正確に保つため、重要な役割を果たしているのがメラトニンです。視交叉上核の体内時計は、メラトニンと強く連携してサーカディアンリズムを作り出しています。また逆に、メラトニンにより体内時計を昼夜の明暗リズムに同調させています。
2.メラトニンについて
メラトニンは、松果体という組織から分泌されるホルモンの一種です。
ホルモンには体の各器官にメッセージを伝える役割があります。メラトニンは全身の細胞に夜の始まりを伝えます。メラトニンは昼と夜とで分泌量に大きな差があり、夜間で最も多く分泌される時間帯では昼間の8~10倍の量になります。人間の体においては、メラトニン分泌の開始が「主観的な」夜の始まりとなります。
このメラトニンの分泌は、体内時計と環境の両方から影響を受けています。
メラトニンは松果体から分泌されますが、松果体のある間脳にはメインの体内時計である視交叉上核もあり、視交叉上核と松果体は神経路でつながっています。朝になり日の光が目に入ると、体内時計がリセットされ時刻合わせが行われます。
時刻合わせを行った体内時計(視交叉上核)は、その時刻の情報を松果体に伝えてメラトニンの分泌を停止させます。通常はこのメラトニン分泌の停止から12~15時間後に、またメラトニンの分泌が始まるようになっています。これは、ずっと真っ暗なままの環境でも再現されるため、メラトニンの分泌は体内時計の影響下にあることが分かります。
しかし、夜間であっても強い光を目にすると、たとえそれが短時間であっても急速にメラトニンの分泌を抑えることが分かっています。特にブルーライトと呼ばれる波長が470ナノメーター単位の光を網膜で感知するとメラトニンの分泌が強く抑制され、同時に覚醒の度合いが上がります。
たとえば、スマートフォンやタブレットの画面から出る光にはブルーライトが多く含まれていますので、夜間にスマートフォンなどを多用するとメラトニンの分泌が強く抑えられることになります。
このように、メラトニンの分泌は体内時計によるサーカディアンリズムに合わせて調整される一方、外界からの光にも影響されています。このことより、メラトニンの分泌リズムは体内時計が昼夜の明暗サイクルを自分のリズムに取り入れるために一役買っていると思われます。
3.メラトニンの作用・影響
前項目までは内因性のメラトニン、つまり脳の松果体から分泌されるメラトニンの動きについて紹介しました。ここでは、外から摂取する外因性のメラトニンの作用・効果について紹介します。
メラトニンの主な作用は次の2つです。
● 睡眠の促進
●サーカディアンリズムのシフト
メラトニンは当初、副作用のない睡眠薬として世に登場しました。しかし、そのうち飛行機に搭乗しているキャビンアテンダントがメラトニンを時差ぼけの解消に使用していることから体内時計をリセットする効果があると判明します。
そこから体内時計のリセット効果、つまりサーカディアンリズムをシフトさせる効果に注目が集まるようになりました。
日中でも多量のメラトニンを摂取すると眠気が起こります。そのため、睡眠薬としての使用も可能です。しかし、他の睡眠薬に比べると効果が軽いため、現在では主に時差ぼけの解消に用いられています。
代替療法や補完療法の科学的根拠に関して、世界でも有数の調査組織
「Natural Standard Research Collaboration」は、メラトニンの使用が効果的であるとするケースのうちで等級A/Bがつけられるものとして次の5つを挙げています。
等級
A : 時差ぼけ
B : 睡眠相後退症候群
B : 高齢者の不眠症
B : 神経精神障害がある小児の睡眠障害
B : 健常者の睡眠促進
ここで、等級の意味は次の通りです。
A : 使用効果を裏付ける強力な科学的根拠がある
B : 使用効果を裏付ける十分な科学的根拠がある
つまり、メラトニンの使用に効果があると知られている中でも、時差ぼけに関して言えば強力な科学的根拠が、その他の4つの効用についても十分な科学的根拠があることを解説しています。
この中で、不眠症に悩む一般の人に直接関係するものとしては「時差ぼけ」「健常者の睡眠促進」でしょう。
この2つのケースは次のように対応づけられます。
「時差ぼけ」解消への効果 -> サーカディアンリズムのシフト
「健常者の睡眠促進」効果 -> 睡眠の促進
つまり、メラトニンの作用の中でも「睡眠の促進」と「サーカディアンリズムのシフト」に関して言えば、調査の結果としてしっかりとした科学的根拠が認められているということです。
次に、それぞれの作用についてその特徴を述べます。
●睡眠の促進について
メラトニン自体には他の睡眠薬や睡眠導入剤のような睡眠導入の効果はないといわれています。
通常の睡眠薬等では、脳の機能を抑える形で眠りを実現しますが、メラトニンは脳と身体に対して眠りに入るよう指令を伝えて睡眠を促進します。たとえるなら、PCの電源を切る際にきちんとシャットダウン処理を行うのがメラトニンであり、電源ボタンの長押しや場合によってはコンセントを引き抜いて強制的に電源を落とすのが睡眠薬という感じです。
メラトニンはホルモンの一種であり、ホルモンとは体の各器官にメッセージを伝える役割をします。メラトニンが伝えるメッセージは「夜の到来」であり、眠る時間が来たということです。それゆえ、メラトニンを受け取った脳や体の各器官は夜が来たと判断して眠るための準備に入ります。それが眠気となって感じられるのだと考えられます。
体の細胞にとってはメラトニンの受容が夜の始まりであるため、日中であっても多量のメラトニンを摂取すれば眠ることができます。
実際、体内でのメラトニンの量が増加していくに伴い、体の奥で深部体温の低下が始まります。
人間は深部体温が低下すると眠りやすくなることがわかっており、現在ではメラトニンの分泌に伴う皮膚血管の拡張による放熱の開始が、睡眠を調節するサーカディアンリズムの根本的なメカニズムであると結論づけられています。
このようにメラトニンは、自然な眠気を誘うものであるといえます。
●サーカディアンリズム周期のシフトについて
メラトニン最大の特徴は、このサーカディアンリズム周期のシフト作用です。他の睡眠導入剤や睡眠薬で、サーカディアンリズムに直接作用するものはありません。
外部からメラトニンを摂取すると、摂取した時間に応じてサーカディアンリズムの周期が前後にシフトすることが分かっています。睡眠に関した表現でいえば、眠くなる時間が早くなったり遅くなったりするということです。
実は、サーカディアンリズムの周期をシフトさせる最大の要因は光です。朝一番に目にする陽の光はサーカディアンリズムを前進させる形でリセットします。
逆に、夜になってから強い光が目に入るとサーカディアンリズムの周期は後ろにシフトします。つまり眠くなる時間が遅くなります。
メラトニンも光と同じように作用しますが、メラトニンは光とは逆方向の作用でサーカディアンリズムの周期をシフトさせます。午前中に見る日の光はサーカディアンリズムの周期を前にシフトさせ、夜に見る光は周期を後ろにシフトさせます。一方、午前中にメラトニンを摂取するとサーカディアンリズムの周期は後ろにシフトし、夜寝る前に摂取すると周期が前にシフトすることが分かっています。
< 時間帯による光とメラトニンのサーカディアンリズム周期のシフト効果 >
朝 | 夜 | |
光 | 前進 | 後退 |
メラトニン | 後退 | 前進 |
この特性ゆえ、時差ぼけの解消にはメラトニンの摂取が推奨されています。自分のサーカディアンリズムが、新しい環境の昼夜リズムと合っていない場合、メラトニンを使ってサーカディアンリズムをシフトさせることで速やかに新しい環境に順応できるようにするのです。
このことより、夜寝る前にメラトニンを摂取すると眠気の起こる時間が早くなると考えられます。メラトニンの作用は人によって強弱がありますので、一回の使用では眠気の起こる時間が変わらないかもしれませんが、継続して使用するうちにそれまでより早い時間に眠気が起こるようになります。
初めに述べましたが、現代人のサーカディアンリズムは全体的に夜型にシフトしていると考えられます。社会生活に要求される標準的なリズムよりも寝る時刻が遅い時間にズレた周期になっている人が増えているのです。
メラトニンの使用は、そのズレを修正して望む時刻に自然な眠気が起こるように調整できる可能性があります。
繰り返しになりますが、このサーカディアンリズムの調整こそがメラトニンを使う最大のメリットだといえます。睡眠薬などでは脳の機能を抑制することで眠りに入りますが、それは意識を失っている状態に近く、本来の眠りとは違うものです。
脳と体が眠る状態にないため、本来睡眠中に行われるべき疲労回復などが行われません。そのため、睡眠薬などで眠っても疲れは取れませんし、それが続けば疲れが蓄積されていきます。
メラトニンには、この脳と体が眠りに入る時間を調節し睡眠を促進することで、理想の時間により自然な眠りを迎えることができるようになる可能性があるのです。
4.使用方法
メラトニンの使用に関しては、一般的に次のようにいわれています。
・就寝の30~60分前に0.1~8mgを飲むのが効果的
・眠気の起こる時間を早めたい場合は19~20時にメラトニンを摂取するとよい
メラトニンは他の薬などと違い、明確な用量用法は決められていません。数件の試験からは0.1~0.3mgであれば体内のメラトニン濃度が夜間の正常な生理的範囲内となり十分な用量であることが報告されています。しかし、必要以上のメラトニンを飲んだとしても分解されてすぐに体に最適な濃度となります。
メラトニンのサプリメントには血中濃度が早く最高濃度に達する速放性のものと、有効成分の放出を遅らせて血中の有効成分濃度を長時間一定に保つ徐放性のものがあります。速放性と徐放性のメラトニンでは、速放性メラトニンの方が徐放性製剤よりも効果が高いことを示唆した研究もあります。
市販のメラトニンサプリメントには0.1~20mgとさまざまな量のものがありますので、一度に多量のメラトニンを摂取できるタイプではなく小容量のもので摂取量を調整しながら自分に最も効果のある量を見つければよいと思います。
そこで最初は、標準的な1粒当り3mgの含有量のものを使用することをお勧めします。
5.副作用・注意点
●副作用
メラトニンの使用による大きな副作用の心配はありません。安全性については、1日当り5mg前後のメラトニンを飲むのであれば最大2年間の安全性が報告されています。
しかし、過量摂取により時間感覚や方向感覚が失われ認識力を欠いた状態になる懸念も報告されています。また、健康状態や使用時期によっては次の[ 注意点 ]に述べるような制限もあります。
●注意点
・てんかん発作のリスク増大が報告されているため、てんかんの持病がある人もメラトニンの使用は避けるべきです。
・メラトニンは最終的に肝臓で代謝されるため、肝臓の負荷が増しますので肝機能に障害のある人は避けるべきです。
・ホルモンに作用する可能性があるため妊娠中または妊娠を望んでいる女性はメラトニンのサプリメントは避けるべきです。
・メラトニンは、日中に眠気を引き起こすリスクがあるため、車の運転をする前などには使用を避けるべきです。
●他のサプリメントや薬との飲み合わせについて
メラトニンは鎮静効果や睡眠導入効果を持つ他のサプリメントと飲み合わせると、日中の眠気または鎮静作用を増大させると思われます。
そのため、メラトニンと併用する場合は日中の車の運転などで注意が必要です。代表的なものではホッブ、カバ、L-トリプトファン、セントジョーンズワート、バレリアンなどです。
血液凝固異常があり抗凝固薬ワーファリンを使用している場合、メラトニンとの作用により血液凝固のリスクが高まる可能性が報告されています。抗凝固薬ワーファリンを使用している人は、メラトニンの使用を避けるべきです。
低用量のメラトニンにより、血糖値を制御するインスリンなどが十分に機能せず、またインスリン感受性が低下していた事例が報告されています。そのため、アルギニン、ココア、DHEAなど血糖値が上昇するおそれがあるハーブまたはサプリメントを併用する場合には注意が必要です。
6.メラトニンは本当に効くのか?
私自身メラトニンを使用していますが、確かに効き目があります。寝る前に10mgと少し多めにメラトニンを服用すると、30分ほどして明らかな眠気が起こってきます。
私はもともと寝つきが悪いため、以前は睡眠導入剤を使用していたのですが、メラトニンの使用でも睡眠導入剤によるものと変わらないぐらいはっきりとした眠気を感じます。
メラトニンによる眠気の場合は体全体が眠くなるような感覚で、まぶたが重くなってくると同時に体もリラックスしてくるように感じます。
睡眠導入剤を使用していたときには夜中に目が覚めることがたびたびあったのですが、メラトニンを飲むようになってからはそれがなくなりました。
また、睡眠導入剤とメラトニンの一番の違いは、目が覚める前の体温の上昇です。睡眠導入剤を飲むと確かに眠れるのですが、朝起きるのが辛いと思うことが多かったです。
しかし、メラトニンを飲んで眠ると、明け方目が覚める前に自分でも分かるぐらい体温が上がるようになり、起きるのが楽になりました。
やはり、メラトニンによる睡眠は自然な眠りに近いのだと思います。
週末は夜ふかししてもいいのでメラトニンを飲みませんが、普段と変わらない時刻に眠くなるようになりました。
なかなか眠れないことが悩みだったのですが、2~3週間のメラトニンの使用でその悩みが大きく改善されました。
あと、メラトニンが睡眠導入剤と違うと思う点は、食事の前に飲んでも後に飲んでも効き目が変わらないというところです。
睡眠導入剤の場合、食事の後に飲むように言われるのですが、その用法では効き目が弱いため私はよく食事の前に飲んでいました。
しかし、メラトニンの場合、食事の前でも後でも同じように眠気が起こるので、多少夕食の時間が遅くなっても眠る時間への影響が少ないので助かっています。
大きなストレスや精神的な疾患という原因があれば別ですが、普段の暮らしの中でなんとなく寝つきが悪くなったり眠りが浅くなってきたという不眠症であれば、メラトニンはその改善に効果があると思います。
7.まとめ
はじめに述べましたが、様々な理由から現代人の生活リズムは夜型にシフトしていると考えられます。
朝しっかりと陽の光を浴びて夜はなるべく人工的な光を目にしないようにすれば、夜型にシフトした生活リズムは標準的なリズムにもどると考えられます。しかし、仕事の都合などでなかなかそうもいかないのが現実だと思います。
メラトニンには睡眠のリズムを理想のリズムに近づけられる可能性があります。
単に眠る時間を調節するだけではなく、睡眠を含めた生活全般のリズムを変えられる可能性です。
メラトニンの使用は、睡眠不足から日中の仕事などで本来の力が発揮できていないと感じているような人ならば、試してみる価値のある選択肢だと言えます。